2021年7月12日にマクロン大統領が医療関係者へのワクチン義務化と衛生パス(通称グリーンパスポート)の適用拡大を発表したことを受け26日に両院審議を経て投票が行われ、国民議会賛成156票、反対60票で可決しました。
衛星パスとは Pass Sanitaire
衛星パス(Pass Sanitaire)とは以下3点のうちいずれか1点を証明することを言います。
今回の可決により2021年8月初めから対象施設で衛星パスの提示が義務づけられることになりました。
海外から訪れる観光客も衛星パスを提示しなくていけないので、日本から訪れる場合は注意が必要です。
- ワクチン接種証明
- 検査陰性証明(48時間以内)
- 回復証明(11日以上6ヵ月未満の感染)
今回可決された衛生パスの適用拡大期間は2021年11月15日を予定しています。
※一部7月21日から適用済み
衛星パスの提示が義務づけられる施設
2021年7月21日から(12才以上)
- 50人以上入場可能な文化、娯楽施設
美術館も対象施設です。
フランス観光で訪れたいと思う施設のほとんどで衛生パスが必要となりワクチン接種済みでない場合は毎回PCR検査で陰性を証明しなくてはいけません。
2021年8月初めから
- 飲食店
- 長距離列車
- バス
- 飛行機
- 医療施設
2021年8月30日から
- 提示が必要な施設で働く人はパスの取得が必須
2021年9月30日から
- 12才-17才
※ワクチン接種が開始されたのが6月15日と遅かったため適用は遅らせられることになりました。
法案を破ると最大9,000ユーロの罰金が科せられます。
日本のワクチン接種証明書について
2021年7月26日から日本でもワクチン接種証明書が発行されるようになりました。
しかしフランス政府は日本のワクチン接種証明書を2021年8月1日時点では承認していません。
日本のワクチン接種証明書を提示しても入館を拒否されますのでご注意下さい。対象施設への入場を希望する場合はPCR検査を受け陰性証明を提示する必要があります。
新型コロナウイルス感染者と濃厚接触者の義務
10日間の隔離
医療関係者の接種義務
- 医療施設の医師
- 看護師
- 高齢者施設
- 在宅ケアの介護士
- ボランティア
フランスの医療関係者のワクチン接種率は7月14日時点で69%。
衛生パスの法案が可決されたことによって2021年9月15日までにワクチン接種を終えていない人は医療現場で働けなくなります。
現在のフランスの状況
2021年6月にバカンスが許容されたことで6月7月とヨーロッパ各国へバカンスに向かう人が続出しました。
その後デルタ株の感染者が急増し、スペインには渡航しないようにと促したり、マクロン大統領の衛星パスの拡大発言後にはフランス各地でデモが起こったりドタバタ劇のフランス国内でしたが、議会に通された段階でワクチン接種を終えていなかった人達の予約が相次ぎそれまでガラガラだった接種会場が一次予約が取れないほどになっていました。
当初の予定より適用される対象施設についてはかなり縮小されたものになりましたが、対象とされた施設で働く人はワクチン接種をしなくては仕事ができない状況になってしまい、ワクチン接種を保留していた人達が急いで打たなくてはとなっている状況です。
自由を最も重要と考えるフランスで、この法案が通ったのは経済ダメージが一般市民の生活に直結した結果だと言えるでしょう。フランスの強制的なやり方は第五波を抑えられるかどうなるか?
8月9月のフランスの感染者状況が気になるところです。