新型コロナウイルスの拡大を受け、フランスでは様々な施設で入場の際に衛生パスの提示が義務化されました。
7月21日からすでに始まっているものに追加して、8月9日からはカフェ、レストラン、大型商業施設、病院、高齢者施設、医療社会施設や、長距離移動の航空機、列車、バスまで拡大され様々な施設でパスサニテールの提示が義務になりましたのでここでまとめて紹介します。
海外から旅行で訪れる外国人についてもフランス国民と同様にパスサニテール(衛生パス)の提示が義務とさえるので、今後はフランスへ旅行に行く際は気を付けて下さい。
【フランス】衛生パスの適用拡大が可決されました!
パスサニテール(衛生パス)とは?
パスサニテールとは、日本語では衛生パス、もしくは衛生パスポートとも呼ばれ、フランス国内の様々な施設への入場時に必要な証明書です。
パスサ二テールが証明すること
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ワクチン接種完了証明書
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48時間以内または72時間以内の検査結果の陰性証明書
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6ヶ月以内の検査陽性証明書
パスサニテール(衛生パス)証明書の提示の仕方
上記3つの証明書のいずれかをアプリや紙、PDFデータで見せることで証明できます。
- アプリTous Anti Covidに保存して提示
- 証明書のpdfをスマートフォンに保存して証明
- 各種証明書を常に持ち歩き紙で証明
パスサニテール(衛生パス)の取得の仕方
パスサニテールは、上記3種類の衛生上の安全性を証明する書類のいずれかを、アプリ「Tous Anti Covid」上にアップロードして提示するか、3種類の証明書をそのままpdfか紙で提示することができます。
①ワクチン接種完了証明書で提示できるワクチンの種類と期間
パスサニテールが適用されるのはフランス政府が認定したワクチンであること、また接種完了後にフランス政府が指定する期間を過ぎている必要があります。
2回目の接種から7日後にパスサニテールが適用化になるワクチン
- ファイザー
- モデルナ
- アストラゼネカ
1回目の接種から4週間後に適用されるワクチン
- ジョンソンアンドジョンソンの1回目の接種から4週間後
1回目のワクチンから7日後に適用される例
- 既にコロナに感染したことがある人は、1回目のワクチンから7日後
フランスでワクチン接種をした人は、Assurance Maladieのウェブサイトからワクチン接種証明をダウンロードできます。
海外からフランスへ入国する際はフランス政府が認定した国で運用される証明書がそれを証明します。
※フランス政府が認定していない国のワクチンパスポート(ワクチン接種証明書)はパスサニテールの証明には使用できません。日本のワクチン証明書は2021年8月9日現在まだ認定されていません。
②陰性証明書で提示する場合
フランス国内でパスサニテールの提示が義務とされている施設に入場する場合は、入場する48時間以内にPCR検査やAntigénique抗体検査をして陰性証明書を取得し提示しなくてはいけません。
パスサニテールの提示が必要な施設への入場
- 48時間以内に検査を受けた証明書
フランス国内旅行する場合
- 旅行へは72時間以内に検査を受けた証明書
PCR検査ができる場所
ラボ(Laboratoire biologique)
抗原検査Antigénique(アンチジェニック)検査ができる場所
薬局
※検査はフランス在住者は秋までは無料、海外からの観光客は有料
検査で陰性を証明する場合の証明書の取得方法
検査結果はメールまたはSMSで「SI-DEP」というサイトのリンクが送られてきます。このサイトからQRコード付きの証明書を保存することでパスサニテール(衛生パス)の提示が可能です。
③6ヶ月以内の検査陽性証明書
施設を利用する11日前から6ヶ月前までの期間に新型コロナウイルスに感染した人は、そのときに受けたPCR検査またはAntigénique抗原検査の陽性証明書で提示が可能です
パスサニテール(衛生パス)の提示が必要な乗り物
- 長距離移動の交通機関(飛行機、TGV等の列車、バス)
- 宿泊施設付きの船やクルーズ船
フランス国鉄SNCFは、TGV、Intercitéなどの長距離列車、外国への列車を利用する12歳以上の者には、8月9日から衛生パスの提示を「いつでも、どこでも」要求すると発表しました。
実際に証明を確認する際は腕章をつけた国鉄職員が中心となる衛生パスのチェック要員がホームでチェックを行います。車内では国鉄職員の他、治安部隊などもチェックに参加します。
電車に乗る際は、乗車前チェックでTousAntiCovidのアプリで得られるQRコード、または紙の証明書(QRコード有、無し)で衛生パスの提示しなくてはいけません。衛生パスを提示できない人は乗車を拒否されます。またチェックを逃れて乗車した場合でも車内で行うチェックで衛生パスを持っていない場合は、罰金135ユーロが科せられることになります。
※長距離ではないTERやTransiliensなどの列車には適用されません。12歳〜17歳は9月30日からの義務が適用。
パスサニテール(衛生パス)の提示が必要な施設
- 公聴会場
- 会議場、集会場
- 映画館、上映会場、劇場
- コンサート会場、フェスティバル(着席および立席)
- テント、閉鎖空間または屋根付き会場でのスポーツイベント
- 見本市、展示会
- 病院
- 高齢者施設
- 遊技場
- カジノ、宗教施設
- 美術館と企画展会場
- 教会
- 図書館(大学や専門的な図書館を除く)
- 高等教育機関で開催される文化的集会
- 30以上のスタンドやアトラクションがある興行会場
- 公共の場で開催される文化・スポーツ・遊戯・お祝い等のイベント
- ディスコ、ダンスクラブ
- ショッピングセンター
パスサニテールが必要な飲食店
- バーカフェ
- レストラン
※すべての飲食店で必要
パスサニテール(衛生パス)の提示で旅行中に注意すること
海外からの旅行者がフランスに滞在する際に訪れる施設のほとんどでパスサニテールの提示が必要となっています。
レストラン、美術館、教会などフランス観光の王道施設の全てで衛生パスを提示しなくては中に入ることができません。ワクチン接種が完了していなければ陰性証明書を取らなくてはいけませんし、一度の検査証明で施設に入場できる有効な時間は検査から48時間以内のみと限られています。フランスに1週間滞在した場合は陰性証明書を3,4回とらなくてはいけないことになるので現実的ではありません。
フランス国内で義務化されたパスサニテール(衛生パス)の運用で、今後は世界各地でワクチン証明が必要になりこの傾向は広がっていく可能性が高いです。ワクチンを接種しないと生活しずらくなってしまうのであれば、ワクチン接種をしたほうがいいと考える人が増えそうです。
今後日本がどうなるのか注目したいと思います。